FMEリファレンス > データセットとフィーチャータイプ
最終更新: 2021-12-23 | FME 2021.2.0.1
データセットとフィーチャータイプ
データの格納方法や構造の違いよって、データセットにはいくつかのタイプがあります。
FMEではデータセットのタイプに応じて取り扱い方が異なる部分があるので、ワークスペースを作成するときには、どのタイプのデータセットを扱っているのかを意識することが重要です。
データセットのタイプ | データセットの格納形態 | フィーチャータイプ | フォーマットの例 |
---|---|---|---|
ファイルベース | ファイル | レイヤ, レベルなど | AutoCAD DXF |
フォルダーベース | フォルダー内の複数の ファイルの集合 | ファイル | Esri Shape |
データベース | データベース | テーブル | Oracle |
ウェブ | ウェブサイト | レイヤ | Web Feature Service (WFS) |
ファイルベースデータセット (File-Based Datasets)
ファイルベースデータセットは、ひとつのファイルに格納された完全なデータセットです。
データセットを構成する複数のレイヤ等のサブセットをひとつのファイルに格納できる仕組みを持つフォーマットについて、FMEはファイルをデータセット、レイヤ等のサブセットをフィーチャータイプとして取り扱います。
例えば、ひとつの AutoCAD DXF ファイルは複数のレイヤのデータで構成されており、各レイヤがフィーチャータイプとして取り扱われます。
フィーチャータイプに相当するサブセットの呼び方はフォーマットによって異なり、例えばMicroStation DGN ではレベルと呼ばれます。
フォルダーベースデータセット (Folder-Based Datasets)
フォルダーベースデータセットは、ひとつ以上のファイルを格納したフォルダー( ディレクトリ)です。
データセットが複数のレイヤ等のサブセットで構成される場合に、それらをひとつのファイルに格納することはできず、サブセットごとに個別のファイルで格納する仕組みのフォーマットについて、FMEはフォルダーをデータセット、ファイルをフィーチャータイプとして取り扱います。
例えば、ディスクシステムに次のように MapInfo MIF/MID ファイルが保存されている場合、”EastA” (フォルダ) がデータセットであり、”BoundaryArea”, “HydrographyLine”, “RoadLine”(ファイル)がフィーチャータイプです。
C:\FMEData\Data\DemoData\MultiDataset\EastA\BoundaryArea.mif
C:\FMEData\Data\DemoData\MultiDataset\EastA\HydrographyLine.mif
C:\FMEData\Data\DemoData\MultiDataset\EastA\RoadLine.mif
ファイルが常にデータセットであると誤解しやすいところです。ひとつのファイルに格納されるデータをレイヤ等のサブセットに区分する仕組みを持たないフォーマットについて、FMEは一般に、ファイルを「フォルダーベースデータセットのフィーチャータイプ」として取り扱います。
Esri File Geodatabase(ファイルジオデータベース)のデータセットは、ディスクシステムにおける構造としてはひとつのフォルダー(*.gdb)内の複数のファイルで構成されますが、サブセット(フィーチャークラス)ごとの個別のファイルの集合ではなく、フォルダー内のファイル集合が一体となってひとつのファイルのように機能するので、*.gdb フォルダー = ファイルとみなしてファイルベースデータセットに準じた取り扱いとなります。
データベースデータセット (Database Datasets)
データベースデータセットは、その名の通りデータベースに格納されたデータの集合体です。通常、異なるデータベースは異なるデータセットです (厳密に言うならば、データベース内の各ユーザー/スキーマもそれぞれ異なるデータセットになります)。
データベースデータセットは、Spatial (空間データベース)、Non-Spatial (非空間データベース) に関わらず、同じ方法で取り扱われます。
データベースデータセットでは、そのデータベースに定義されているテーブルがフィーチャータイプとして取り扱われます。
例えば、resources という名前の Oracle データベースが users, vehicles, equipment という名前のテーブルを持っている場合、”resources” (データベース) がデータセットであり、”users”, “vehicles”, “equipment” (テーブル) がフィーチャータイプです。
ウェブデータセット (Web Datasets)
ウェブデータセットは、ひとつのウェブサイトに格納されているデータの集合体で、Web Feature Service (WFS) サーバーはその例です。
この場合、データセット名はサイトの URL (Universal Resource Locator) です。
一般にウェブデータセットは多数のレイヤを持っており、各レイヤがフィーチャータイプとして取り扱われます。